The 1st Announcement
2007.6.4

「これからの人工股関節」シンポジウム

- 高齢者・アジア人向けの人工股関節とは -
併催:オークマメディカルマシニング寄附講座記念講演会

主催 名古屋工業大学
産業技術総合研究所
日時 2007年7月19日(木)13:00〜17:20  交流会17:20〜18:30
会場 名古屋工業大学講堂2階会議室 →名工大までの地図はこちら
JR中央線「鶴舞」下車(名大病院口)徒歩約7分
地下鉄鶴舞線「鶴舞」下車(4番出口)徒歩約10分
定員 50名(一般参加者)
開催要旨:日本では平成17年10月1日の時点で65歳以上の高齢者人口の総人口に対する割合が20%を超え,欧米諸国と比較しても,もっとも高い水準の高齢率となっています.一方,現在用いられている人工股関節の寿命は10〜15年程度であるため,50歳代で人工股関節の置換手術を受けた場合には再置換術はさけられません.人工股関節の寿命が30年を超えるようにできれば再置換術が不要になり,患者の負担を大きく減らすことができます.  人工股関節の長寿命化のためには,骨頭部分の摩耗など純粋に機械的な要素だけではなく,人工股関節と骨の間の親和性など材料的な要素も考慮しなければならなりません.さらに,骨に固着した人工股関節に無理な力がかることにより発生するゆるみを生じさせないためには,患者の股関節の状態に合わせたデザインも必要です.アジア人の股関節は西欧人に比べると大きさだけではなく大腿骨髄腔の形状にも差があるうえ,生活様式の違いにより要求される稼働範囲もことなります.そのため,多くの患者データの蓄積し,アジア人の身体的特徴に適した形状を人工股関節に反映していくための仕組みが必要になります.  このような状況のもと,本シンポジウムは医学・工学の研究者および企業の技術者が一同に介して,相互の交流を深める場として企画されました.今回は人工股関節の現状のみならず最新の表面処理技術,および評価方法,そして,医療分野の最新状況について講演していただきます.多数の皆様の積極的な参加を期待しております.
PDF版のシンポジウム案内はこちらです.

訂正(2007/7/11):事務サイドのミスで講演時間が間違っておりました.ご迷惑をおかけして申し訳ございませんが,新しいプログラムをご確認ください.
訂正(2007/6/27):「オークマメディカルマシニング寄附講座の研究紹介」の講演時間に誤りがございました.
”14:40〜15:55”と記載しておりましたが,正しくは”14:40〜14:55”でございます.
◆プログラム

13:00〜13:40 基調講演
「高齢化対応およびアジア人向けの人工股関節」
独立行政法人産業技術総合研究所 産学官連携推進部門 産学官コーディネータ
名古屋工業大学大学院 教授
亀山哲也氏

 高齢者対応でかつ日本人も含めたアジア人の体型に適した人工股関節の研究開発の取り組みについて紹介する.人工股関節は欧米から85%を輸入しているが,日本人を含むアジア人の体型に適した製品とは必ずしも言えず,特に,今後需要が高まる高齢者に対応する製品がない.このような問題解決のため,短期間で生体骨と強固に結合し,長期安定に使用できる人工股関節の開発が望まれるが,その為の,材料技術,表面改質技術,デザイン技術について紹介する.

13:40〜14:20 講演1
「骨・関節治療のバイオメカニクス評価」
産業技術総合研究所 人間福祉医工学研究部門 医用計測技術グループ
兵藤行志氏

 より長期間装着が可能な整形外科インプラントの実現のために,生体硬組織と人工硬組織の混在環境での応力解析は重要である.実験的な解析手法において,例えば熱弾性応力測定法は,試料と非接触に表面主応力和分布の変化(Δ(σ1+σ2))を捉えることができ,歪みゲージ法とは相互補完的な特徴を有している.当該手法による力学的適合性評価の可能性,その他の動向を紹介する.

14:20〜15:00 講演2
「セラミックスと金属の融合化」
産業技術総合研究所 先進製造プロセス研究部門 生体機構プロセス研究グループ 研究員
稲垣雅彦氏

 人工関節用の生体インプラントの製造における,熱プラズマを利用した最新の表面改質技術について,現状と展望の観点から紹介する.短期間で生体骨と強固に結合し,長期安定に使用できる人工股関節の開発を目指した,反応性プラズマを利用した水酸アパタイト/チタン傾斜複合コーティングの密着強度の向上技術や熱プラズマプロセスを利用した配向性制御などの最近の新しい研究展開について紹介する.

15:00〜15:20 研究紹介
「オークマメディカルマシニング寄附講座の研究紹介」
名古屋工業大学大学院 准教授 オークマメディカルマシニング寄附講座
陳連怡氏

 昨年7月からオークマメディカルマシニング寄附講座は,日本人の生活様式に適するとともに長寿命化を実現する人工股関節の開発を目標とした研究プロジェクトを立ち上げた.本講演では,現在進行中の術前計画支援システムと人工股関節骨頭部位のトライボロジ解析について紹介する.

15:20〜15:40 休憩

15:40〜16:20 招待講演1
「最近の人工股関節用材料と機能向上」
中部大学 生命健康科学部 生命医科学科 教授
松下富春氏

 人工股関節の長期使用に重要な課題と対策の現状を紹介する.骨との結合性についてはアパタイトコーティング,化学処理による生体活性化の活用,摺動部に生じる摩耗粉対策についてはポリエチレンの改質,金属/金属,セラミックス/セラミックス,MPC処理などの効果,さらに生体為害性の無い金属材料の開発状況などを紹介する.

16:20〜17:00 招待講演2
「人工股関節の現状と未来」
名古屋大学 大学院医学系研究科 機能構築医学専攻 准教授
長谷川幸治氏

 現在わが国で行われている人工関節置換術(膝関節,股関節)は約10万件であり,今後は人口の高齢化に伴い手術数が飛躍的に増加すると予測される.人工膝関節は70歳以上の高齢者になされ,良好な成績が得られる.しかしわが国では臼蓋形成不全症による股関節疾患が多く,人工股関節は50歳代に行われることも多いので,問題点として摩耗(wear)とそれによる骨融解(osteolysis)および緩み(loosening)がある.これらの合併症によって平均15年程度で再置換術が必要となる.このため摩耗を低減する摺動面の開発,ステムの固定性の向上が行われている.30年以上の長期に耐用性がある人工関節を実現するために必須な条件を提言する.

17:10〜18:00 交流会(参加費無料)


◆申し込み方法および会費
 会費は無料ですが事前参加登録が必要です.参加登録はウェブページで受けつけています.
参加登録はこちらからお願いします.

◆連絡先
 〒466-8555 名古屋市昭和区御器所町
 名古屋工業大学 藤本英雄
 TEL&FAX: 052-735-5330 E-mail: fujimoto@nitech.ac.jp